ご本人によればありえないとのことであるが

 起きてみると家族は出払っており、*フオクのセラーさんから届いたFour Famous Piano Concertos (LCB-132)アルゲリッチデュトワ/スイスロマンド響:チャイコフスキー《ピアノ協奏曲第1番》を気がねなく聴く。
 FM放送で流れたのをエアチェックしたテープを聴いているような感じでコントラバスがお休みの編成のようであるが、弐号庵オーディオシステムの再生音量としてはご近所に迷惑になりそうなfffから耳を澄まさないと聴こえないpppまで、ダイナミックレンジの広い、なかなか質の高い録音である。
 それで気がつくのが、ピアニストがオーケストラを煽ってどんどん加速させていることだ。と思ったら、少しずつ遅らせて弾いて減速させるところもある。このあたり翻弄という表現が的を得ているようである。
 さすが天才アルゲリッチ、さもありなん、と聞き惚れるのであるが、ご本人によれば自身の演奏ではないとのことである。
 一番いいところでピアノが空中静止してオーケストラがつんのめってしまう。聴衆のため息が聞こえてきそう(だが録音には入っていないようである)である。こういう一期一会なところは珍プレー的な面白さというのではないが、HiResに収録された演奏でいろいろな表現にふれやすくなれば大変素晴らしいと思う。
 続けてゲザ・アンダクーベリックベルリンフィルシューマンシベリウスのピアノコンチェルト。クーベリックマーラーの9番のような弦楽アンサンブルの波に呑み込まれるような感覚がある。

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