Enya《Sheperd Moons》とBrian Eno《Here Comes the Warm Jets》

 網羅的リッピングをしていて、空のジュウェルボックスしか見つからない《Sheperd Moons》と《Here Comes the Warm Jets》とをリッピングしなおすためにCDを発注したのが到着。
 フジTV「音楽の秘密」第16回のシンコペーションの回(と記憶するが)で紹介されたEnya《Caribbean Blue》には、日常空間の地平を越えた浮遊感を感じ、当時泊まりがけで行っていた営業の宿舎で聴きたくてたまらなくなり、深夜に町の商店街のCD屋さんの前の自動販売機まで歩いて見に行ったことがあった。1994年の2月頃であったと思われる。リリース後3年を過ぎた《Sheperd Moons》が自動販売機で買えるわけもなかったのである。当時はコンビニもなく、今Google Streetviewで確かめてみるに、CD屋さんさえ撤退してしまったようで自動販売機も見つからず。
 当時家ではMac IIを、出先にはMacintosh Portableを持って行って使っていたが、鉛バッテリは重すぎた。CD-ROMドライブレスの、MacBook AirのようなフィーリングのMacintosh DUO230に買い換えて、書類や原稿書きの仕事を片付けていたのであった。CD-ROMドライブはSCSI接続のものをドックを介してつなぐか、LocalTalkネットワーク経由でファイル転送するかしかなかった。結局この時代DUOで音楽を聴くというのは、もっぱらMODプレーヤーPlayerProでMODの曲を再生することであって、CDを聴くには別途ポータブルCDプレーヤーが必要であった。ハードディスクは(80 GBではない)80MBしかなかったので、320 kbps, 48 kHzエンコードで9.6 MBになるCaribbean Blue.mp3はじめ12曲で100 MBを越えてしまってハードディスクにも納まらなかったのである。33MHzのMC68030 プロセッサ、メインメモリ4MB DRAMエンコードするにはきっと1日かかったに違いない。
 エンコードの具合をSennheiser MM-100で確かめて、つい聴き惚れて夜更かししてしまう。
 あまりにアプローチの仕方が違うこの2枚のCDの曲データだけ入ったMacBook AIrを持って旅に出るのも悪くないような気がする。

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