野口悠紀雄《超「超整理法」》

 本日のCafe du Boisで拝領。筆者は、本書刊行の約一年前には超整理法書類のPDF化をほぼ完了して、キャビネットから封筒に入れた書類の束をなくしてしまった。その二年後にEvernoteを使い始めるまで、すなわち本書が執筆されていたであろう時期は、筆者にとっても爆発的に増加するPDFファイルを持て余した時期だったのだ。
 Evernoteでは一つのノートに複数のPDFファイルを収納できて超整理法の封筒に見立てて使える(現実にはPDFファイル一つずつを別のノートに入れて、Tagでくくる方がスマートと言える)のだが、その一方、使った封筒を一番手前に戻すという超整理法のメリットを実現する仕掛けはない。(しいて言えば、blogにメタな情報を記録しておくのが後で役に立ったりもするが、)何をクエリとして検索したか、どのファイルを開いたかは、記録されない。そこで使った封筒にマークを付けることは、画面の向こう側では「最後に使ったファイルはどれですか」になるわけであるが、その秘策が書かれていはしないかと期待した。
 結論から言えば、2008年に出版された本書では、Gmailで自分宛てのメールに送りつけて一元管理するテキストデータベースのクラウド化が基本的なコンセプトであった。当時から読者のみなさんの多くはあまり納得できなかったようである。

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