22時すぎに目覚めて、いくつかオークションを流してしまったのに気がつくが、これは起きていられないくらいの困憊にて止むを得ず。一週間前から気になっていた、ドイツ製のダレスバッグに落札せんとて、入札する。出品者はブランド名不詳とされ、品名に書かれなかったため、有名ブランドをクエリとして検索される方には存在を知られない隠れ商品となっていた。ただ、掲載写真からブランド名を読み取れた人にはお宝に見えてくるのであった。
出品者からの情報に補完とか誤り訂正を施して、ものの真価を探し出す技術は、インハウスのクローニングベクターの配列を調べたり、単位のミスで大型トラックでしか運べなさそうなゼロハリバートンのスーツケースを発見するのに役立つのである。おそらく同じスキルをお持ちのライバルが出現し、終了間際までヒヤヒヤする。あとワンコインの積み増しで逆転されるところを何とか守りきった。
ダレスバッグを2つも買って、どうするつもりかと問い詰められそうなのであるが、ミンクオイルでじっくり手入れをしてみたい。
