脊振周治院のtDiaryをつけ始めて10年7か月と8日

 これまで脊振周治院は、自前のサーバーから各種のサービスを提供することを目標としてきた。なぜわざわざ自宅にサーバーなんか立てるの?という(濫觴期を知らない若い世代からの)質問には、10年前にはまだ今のようなサービスが存在せず、自前でtDiaryをインストールしたサーバーを用意するしかなかったのです、とお答えする。最初は自前でweblogシステムを運用する面白さと難しさを楽しんでいたのである。しかしながら、ここ数年は大変申し訳ないことにソフトウェアの更新に全くついていけてなくて、さらに上流のプロバイダの接続が不安定になってきたことから、システムをアウトソーシングすることにした。それで、まずはやぢをニュースを引越しさせてみて、いろいろと問題点を発見しノウハウを蓄積しておいて、お預かりしている使用者さんのデータをスムーズに移管したいというわけなのである。
 weblogシステムを生命体と考えれば、その遺伝子はプログラムソース、蓄積されたダイアリーデータは、「記憶」に相当するものであろう。過去14年間につけてきたブログデータと写真などを、アウトソース先にうまくインポートできるかどうかが、この引越の成否に関わる。
 はてなダイアリーは、老舗の無料サービスで、tDiaryとほぼ同等に使えることを期待して借りたのであるが、tDiaryのデータをそのままアップロードできるようにはなっていない。インポート可能な形式は、はてな形式とMovable Type形式とのふたつであった。調べてみるとはてな形式は、簡略化されたxmlのような形式なので、こちらのフォーマットに変換することを決定。Movable Typeは、この14年の間に開発され成功したシステムの一つで、そのデータ保存形式がad hocながら共通のフォーマットになっているようである。
 tDiaryの月表示モードでブラウザに表示させたデータをダウンロードし、1998年5月9日から2012年5月27日までの全データをひとつのテキストファイルに統合すると約10 MBとなった。圧倒的に分量が多いのはCSSソースコードなので、1000万字入力したというわけではない。これをxyzzyでガシガシはてな形式に変換したところ、43723行、7 MBのテキストファイルとなった。
 昨晩はてなブログにインポートして、テキスト部分については一応引越しが完了した。細かい不具合については、はてなダイアリー上で修正し、さらに写真も順次掲載していく予定である。当然はてなダイアリーからデータをこの共通のフォーマットでエクスポートできるのであるから、(縁起でもないけれど)いざというときには別のシステムへ日記データをインポートできる安心がある。
 日記データ原理主義的な視点で捉えれば、tDiaryはてなダイアリーも、日記データを処理し、共通フォーマットに整形して出力するためのソフトウェアツール(で言うところのフィルタ)にすぎないとも考えられる。『遺伝子の乗り物』の再発明であるけれど。

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