ラゲッジレーベル

 執務室の机の引き出しを整理していて、見覚えのある厚紙でできたエンベロップを見つけた。68KのMacintoshを買うと必ずついてきたもので、その中には保証書とともにアップルのロゴのシールが一枚入っていたのである。表には(c) 1992 Apple Computer, Inc、裏にはAnd more Contains your warranty, software license, and other impportant documentsとGaramondの書体で印刷されている。1993年6月27日に購入したMac DUO 230についてきたものと考えて間違いあるまい。
 このエンベロップは、それから5年後にGo Westして当地に引っ越してきて、爾来アップルロゴシールの保管場所となったのである。6色のレインボーカラーの最初の一枚は、1989年の今頃岡山市下中野のコスモス岡山で買ったMacintosh IIのものであった。当時コスモス岡山では"Think different"のシールなども入荷して、カローラ2のバンパーに貼ったり、サムソナイトのスーツケースに貼ってボストンやヒューストンに渡航したことを思い出した。ほかに白リンゴシール5枚に、Player Pro、Plathome、Kondara Linuxのシールも入っていた。この四半世紀のパーソナルコンピューティング発達史が、このエンベロップの中のシールに凝縮されているとは、われながら大した蒐集である。白リンゴシール一枚を、「勲章」としてZero Halliburtonに飾ろうと考えている。
 それにしても、さすがSteve Jobs譲りと言うべきか、このロゴの主張の強さは、四半世紀を経てもちっとも古びていないのはさすがである。暁の地平線からNの字が昇ったり、クレヨンで書いたようなコーヒーカップから立ち昇る湯気が、ロゴとしては絶滅してしまったのに比較すると、会社の営業内容自体はものすごく変わったのにロゴが不変であるのは稀有の例といえる。いや、当初から今に生きる哲学を持っていたことで生き残ったというべきなのであろうか。[旅と道具]

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