高千穂光学OM 600 mm F6.3

 Ai-s Nikkor 400 mm F3.5[ED]は、非常にシャープなレンズであって、その性能には申し分がない。大体、筆者がこのようなレンズを使えるのは奇跡なのであって、そうたびたびあるはずもないとわかっていながら、同等の性能で腰と財布へのインパクトのより軽いものを捜しながら寝てしまう毎日である。
 中古400 mmで捜すと、Contax Apoteletessar 400 mm F4とかCanon EF 400 mm F4 DO ISとかは割と簡単に見つかる。しかし、20万円、あるいは60万円を超えるレンズである。Minolta apoteleMD 400 mm F4.5あたり狙い目ではないかと心ひそかに思い定めているが、希少品らしく、そうそう見つかるものではない。
 そうこうするうちに、Olympus OM 600 mm F6.3を見つけた。63,000円。現在400 mm F3.5に1.4×エクステンダをかませて560 mm F4.5相当で使ったりするが、それより一絞りは暗いということだ。300 mm F2.8(F4)に2倍のエクステンダーをつけると600 mm F5.6(F8)相当になるところから逆算すると、300 mm F3.5相当の口径を持っているのではないかと考えられ、重さは2 kg台と推定される。フォーカシングはラックピニオン式であるから、普通のレンズよりも精密に操作できそうに思われる。
 日本人でこのレンズを評している人はいないようであるが、海外の掲示板でのディスカッションを読んでみると、eBayには一定数出品されているようであり、EDレンズが使われていないので、その性能の限界を指摘し、今ならEDレンズを使ったモダンな望遠レンズかスポッティングスコープを勧める向きもあるようだ。その一方で、それに対する反論として掲載されている月の写真からは、ほれぼれするような抜けのよさも感じる。まあ、このあたりは被写体によっても変わるのであろう。[もっと光を]

本ブログではamazon associate広告を利用しています。