周波数バイブル FB2011

 FB2011周波数バイブル 2010年 10月号
 レジの脇にあった本書が意外に安いので、1冊購入。
 思えば、カタログというかリストを印刷して表紙をつけたような本に蒙を啓かれてきたものである。
 インタフェース誌のパブリックドメインで使えるプログラム言語の特集別冊であるとか、Nifty-Serveのフォーラムのリストとか、普及前のWWWのサイトのURL集とか、網羅的なリストは未知の広大な世界でのアドベンチャーのための心躍るルートマップであったことを思い出すのである。そういう中に、Sony短波ラジオについてきた海外放送局のリストもあった。もちろん、インターネット時代の到来でBCLブームの頃に活動していた局のほとんどは停波してしまっているらしい。われわれ「子供の科学」の広告で、自作5球スーパーを組み立てて外国の放送を受信するとか、スプートニクからの電波を受信したとかいうのにわくわくしていた世代にはさびしい限りである。
 それで、本書はバイブルと銘打ってあるにふさわしく、リストアップされている通信をどのように受信するかということに1章を割いている。受信機はオールバンドレシーバー1台でカバーできる由。著者は「受信趣味」という言葉を用いて―あえてマニアと自称しないところがその要点であろう―HOWTOを越えて哲学とか生き方の領域にまで踏み込んで語っておられるように思う。ちょうど《アマチュア科学者》の著者ストング氏が無線工学編を草するなら、こんな感じになるに違いない。と思われるのである。[本]

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