ユーザーの関心のある領域を拡大して見せるインタフェース

 このところ遠視が進んだのか、目に疲れがたまってしまったというべきか、熱病にうかされたようにMacbook Airがほしいと思いつめている。いつかはクリックするつもりで眺めていたApple Storeの格安リファビッシュ品は払底の様子であるけれど、新品の在庫は十分にあるのであろうから、春の期末手当が雀の涙ほど出るタイミングを期しての「決行」を心に秘めているところである。
 それで、「なぜ老化してくるとMacbook Airなのか」というあたりを整理しておく必要があると気がついた。
 今はこんなことを言っている筆者も、老眼の兆しのない頃には実験プロトコールと一緒に持ち運べるvaio C1を横1280×768モードで愛用していた時期もあった。それがつい7年前であるが、すっかり眼が爺になった今では到底そんな使い方は無理である。Windowsをメインのプラットホームとして、ノートPCで布団に入っても仕事を続け、Mac OS Xは、Canvasを使うためだけに起動するような数年間を経て、14インチのThinkPad T40に回帰した時には、もう小さなスクリーンの文字では仕事にならなくなってしまっていたのである。Mac OS Xのユーザーインタフェースは、全体を表示したもののうち、マウスカーソルを当てたものを大きく表示しているという年寄りに対する配慮を「発見」したのは昨年のNetbookを用いたインストール実験の成果であり、同じハードウェアでその使いやすさがこんなに異なるものかとびっくりした次第である。
 これはあくまでもアプリケーションドックでの話なので、NexusのようなWindows用のDockアプリケーションだけで改善する可能性もある。が、ただでさえ横長のディスプレイの縦方向のディメンジョンをこういうソフトでさらに狭くするのはあまり気の進むものにはあらず。また、個々のアプリケーションでの表示についてはそれぞれの文字サイズの設定に委ねられるのだから(特にブラウザなどは同一ブランドに「統一」してあるので)、あまり違いが出るわけではないだろう。と考えたときに、対抗機種のvaio Xシリーズの型番は、ある種の人々にとっては限りない興趣を喚起する《X11》なので、マウスカーソルのあたりを拡大するようなユーティリティさえ見つけられれば、少々画面が小さかろうが(使い道が思いつかないまま保守点検モードになっている8インチワイド画面のvaio Pシリーズでさえも)しっくり使えるのではないかと予想するところである。
 それで、次世代機をX11にできるかどうかは、マウスカーソル周りを拡大表示するソフトのでき次第ということになってきた。OS標準の機能としては搭載されていないようであり、フリーソフトを試してみると、画面のジャギった拡大像が表示されるのは、(自分が望んだことであるにもかかわらず!)なんとも興ざめである。なかなかうまくいかないものである。…爺になって頑固になってきたということであろうか。[Win]

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