勝間光学製7x50双眼鏡

 ここ一か月ほど星野観察に7×50mmの明るいものがほしいとずっと思ってきた。そのきっかけは近隣の超餓鬼ショップで売り出された999円の衝撃価格の「昼夜兼用の7x50双眼鏡」であった。ただし、これは無限遠のフォーカスが出ない点でも衝撃の品であった。安い光学製品というのは、星が尾を引いて見えて、もう少し光軸があっていてほしいものだとか、絞りが手抜きで迷光が多いとか、ややハイレベルな不満を感じるものときめてかかっていただけに、これには驚いた。
 それで、しっかりした作りの一生モノを手に入れたいと願うようになった。しかしwebで調べようとする前に寝てしまう毎日が続いてきたので、忘れて寝てしまう心配のないよう、本日昼すぎに勝間光学のページを訪問し、念願かなってアウトレットの出物を発見。
 高校の頃、窒素ガス封入防水タイプのNikonの7×50mmは羨望の双眼鏡で、その価格は7万円ほどであったと記憶する。今でもNikonの双眼鏡は同じくらいの価格であって、卵同様この30年でほとんど値上げされていない。Nikonの良心的な価格設定に敬意を表するべきであろう。
 そのライバルは高橋製作所のAstronomerであった(価格はすでに記憶になかったが、こちらによれば24,500円であったとのことである)。で今回発見したのは、同じ板橋区産で価格もAstronomerに近いものである。
 後日記:というか、Astronomerは勝間光学のOEMだった!
 後日記:2019年1月28日勝間光学機械(株)破産とのこと。
陸上自衛隊や海外各国の軍隊などに提供実績を持つ軍事双眼鏡メーカー。戦後、海外の高価格帯製品と同レベルのクオリティながら安価な製品を開発し、自社ブランド「GLORY(グローリー)」は軍関係に高く評価されていた。ポルトガルやアジア各国に販路を形成し、昭和57年2月期は売上高5億6400万円をあげた。
 しかし、以降は安価な外国製品の台頭や需要減から販売が落ち込んだ。このため製造から組立のみにシフトし事業を縮小したものの、資金繰りが徐々に悪化し、再度の資金ショートを起こし30年11月5日、行き詰まりを表面化。その後も事業を継続していたが支えきれず、今回の措置となった。」とのこと。
 ということで、これから星野観望用に双眼鏡が欲しい「遅れてきた天文ファン」はどうされるのだろう。というより、N社もL社もOEM供給元がなくなって困っておられるのではないだろうか。そこでぐぐってみると、コンパクトな8x40あたりを勧めている記事も見受けられる。しかし、いかにかすかな星の光を集めて網膜に届かせるかという時には、(対物レンズの口径÷倍率=)射出瞳径5 mmではだめで、少しぐらい重かろうが、射出瞳径7 mmのものを選ぶべきである。これは人の目の虹彩のサイズで決まるもので、ブランドやコーティングで乗り越えられる性能ではない。夜間の天体観測用の選び方としては、まず5x35か、7x50か、10x70かいずれかを選び、しかるのちにメーカーを決めていただきたいというのが、筆者からのアドバイスである。

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