仮想本棚の整理2007

 2004年以来iPapers、ついでGoogle Desktop Searchを組み合わせて使ってきたのであったが、ここのところScanSnapで紙焼き物のPDF化を進めたために、PubMedIDのつかないPDFが増えてきている。
 これらも含めて、あちこちのハードディスクに散らばった仮想本は、多くは学術誌のサイトからダウンロードされたり、一部はコピーや配布資料からスキャンされたもので、すでにAcrobatOCRを行ってサーチ可能なPDFになっていて、Google Desktop Searchによるクロールで全文検索が可能である。一か所の仮想本棚にまとめると2000弱となった。これだけの数になれば、ひとつずつ手をかけて整備するのは厄介であって、機能的に整理するアシスタンスが必須である。
 現在使用中あるいは検討中のソフトは以下の通り:
 [Win][ソフトウェア][文献整理]ScanSnap Organizer
 ScanSnapには、スキャンスナップオーガナイザという、PDF文書の表紙をサムネイル表示するバンドルソフトがあって、既存のPDF文書も(インポートするなりホームディレクトリにつっこむなりすれば)統一的に管理できる。ただし、筆者の扱うドキュメントの表紙は別にどれをとってもかわりばえするものではなく、サムネイルはほとんど役に立たない。それよりも、これはあの論文で引用したもの、というような情報が付加できたほうがありがたいのだが、なかなか難しい。そういう情報がついているのとついていないのでは仕事の能率がまったく変わってくるので、なんとかしてタグ付け(注:ここでいうタグ付けとはアクセシビリティのためのタグではなくて、ちょうどyadiwonewsNOWあるいはFlickrのタグのような、カテゴリタグを想定)できないものか。それも、できればプラットホームをまたいで(たとえ)別のソフトであっても共通して使えて、GDSにも読ませられるように、PDF文書そのものに持たせたい。
 [Mac OS X][ソフトウェア][文献整理]Yep
 Mac OS Xでスキャンスナップオーガナイザのカウンターパートをさがすと「PDF文書版のiPhoto」Yepが見つかる。あちこちのフォルダからPDFをクロールしてくるついでに中身をちょこっとスニークして自動でタグ付けをするという機能まである。PDF文書が2000近いという現状では、この自動タグ付け機能は魅力的と言える。
 しかし、筆者が求めているのは、文書の中に出てくる単語をキーワードにタグを打つのではなくて(それはGDSの全文検索ですでに実現できているので)、むしろそのドキュメントと筆者との私的関わり方を明示したいということなのである。Yepのできばえはきわめてあうとすたんでぃんぐであると思うが、タグ情報をこっそりPDFのプロパティに書き込んでくれるなら、筆者にとってはキラーアプリになると思われるのだが…。
 [Win][Mac OS X][ソフトウェア][文献整理]Adobe Acrobat professional
 ということで、高価なソフトではあるけれど、プロパティに細工するにはこれしかないであろうか…。
 [Win][Mac OS X][PodCasting][ソフトウェア][文献整理]iTunes
 サムネイルこそないが、PDFファイルの名前一覧を表示でき、そこからAcrobatを起動することも可能である。
 さらに、ライブラリを公開することで所蔵文献の一覧を公開できるのではないかと予想される。社内でも故意か無意識にか、公開仮想CD棚を見かけるが、それらと並んで仮想本棚を公開するというのもなかなか痛快ではある。さらに、一台の機械をサーバーにして、他の機械からも利用できるなら、これほど効率的な使い方はあるまい。とこの思いつきに気をよくして昨日からあれこれ試してみたが、難しい。拡張子を.pdfから.mpgにかえるといけそうな気もするが、さすがにこれは試していない。
 [Win][Mac OS X][ソフトウェア][文献整理]Adobe Digital Editions
 読むだけならこれがかっこいい。
 [Win][Mac OS X][ソフトウェア][文献整理]PDF explorer
 コメント書き込み以外は(プロパティ編集を含めて)可能なPDF explorerを発見。名前だけから判断するに、Mac文化圏ではyepをPDF版iPhotoと銘打ったりするのに、Windows文化圏ではPDF文書の「エクスプローラー」になってしまうんだなという感慨あり。旅の思い出を円グラフで表現しかねないのを揶揄されるのもむべなるかな。ソフトそのものはなかなかよくできているようにお見受けするが、コメント書き込みというのは、紙焼きの場合余白にちょっとしたメモを残しておくことに相当するわけで、かのフェルマーの定理だってそうやって余白に書き残されたものなのであるから決して侮れない。詳細はつづく。
 [Win][Mac OS X][ソフトウェア][文献整理]MOKUJI 0.9.1
 次に見つけたのがMOKUJIROKU。ユーザー定義タグを3つまで設定できる。Win版とMac OS X版があって、プラットホームがまたがっても大丈夫そうなので期待感が高まる。メニューから大統一PDFフォルダからの一括登録を行うと、マイドキュメントフォルダにmyMOKUJI.mkjができて、その容量は2 GBを越えている。このインデクスファイル(のようなもの?)を移せば、どこのマシンでも使えるようになるらしい。[PodCasting]

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