Yamada K. et al: Genetic analysis of the calcineurin pathway identifies members of the EGR gene family, specifically EGR3, as potential susceptibility candidates in schizophrenia. PNAS 104(8):2815-2820,2007.

 共著者には、かの利根川進博士のお名前もある論文。心の問題も、つきつめれば細胞の情報伝達システムで解けるというゲノム原理主義的な考え方は、筆者のような視野の狭い人間にとっては、治療への遠い道のりの第一歩であり、明るい光明のように思われる。
 著者らに自信がないとは思えないが、それでも「原因遺伝子」ではなく、"potential susceptibility candidates"と表現していることには注意すべきであろう。○○なら、これを原因遺伝子と決めつけて番組を構成してしまうのかもしれないが、近未来、誰もが自分の全ゲノム配列の入ったクレジットカードか何かを持ち歩く時代にいたるまでに、遺伝子診断がヒトの尊厳を越えた短絡的な「EGR3狩り」というような優生学的思想のふっかつに悪用されないことを祈る。重いテーマを胸にダウンロード、プリントアウト。

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