楠山正雄:姨捨山

 Brian Culbertson: Dreaming of youをBGMに読む。これは棄老のストーリーではなく、母の愛とは何とありがたいものであろうかという説話であったことを知る。今年の暮れは帰省しない年回りなのであるが、母上様はいかにおわしますか。うちの母上様も、黙って笑いながら枯れ枝を折って道しるべを作ってくださるであろうか。
 最後に年寄りを排除する制度が改められるのは、安全保障上のリスクに対処するために、年老いた人の叡智が必要であるという認識にもとづくものであったが、ここに露呈しているのは、身内の人材を不当に評価して粗末に切り捨て、外圧にめっぽう弱いニッポンの原点ではないか。と同時に、テポドンの国の偉大なる大将軍様に年老いた母上様がついていてくれたら、と願ったりもするわけである。[本日の青空文庫]

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