宮沢賢治:銀河鐵道の夜

 折りしも青空文庫にて公開されたことをlivedoor readerで知る。「ラッコの上着が来るよ」とはやす輪の中に先生もカムパネルラも入っていなかったのは、ジョバンニの僥倖なのであろうか。
 「ああ、さうだ。みんながさう考へる。けれどもいつしよに行けない。そしてみんながカムパネルラだ。
 おまへがあふどんなひとでも、みんな何べんもおまへといつしよに苹果をたべたり汽車に乘つたりしたのだ。
 だからやつぱりおまへはさつき考へたやうに、あらゆるひとのいちばんの幸福をさがし、みんなと一しよに早くそこに行くがいい。そこでばかりおまへはほんたうにカムパネルラといつまでもいつしよに行けるのだ。」
 いくつになっても、何度読んでも涙の出るブルカニロ博士のこの科白に、今また巡りあう。[本]

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