辰尾良二・くみ子:週末は「婦唱夫随」の宝探し−宝石・鉱物採集紀行、築地書館


 鉱物採集の面白さというのは、実は同行者の行動観察であるというような側面がある。実際に行ってみると汗だらだらで歩き回り、アブに刺されて鼠蹊リンパ節が腫れたり、石の粉が目に入ったり、山の中で道に迷ったり、背中のリュックが石でいっぱいであまりに重いので腹側にもバランスをとって同じくらい背負ったりと、それはそれは大変なので、こういう本をクーラーの効いた居間に置いておいてバーチャル体験するのも悪くない。ただし、そういう苦しさを乗り越えて生還したという連帯感は、やはりリアルならではのものである。
 築地書館からは、以前日本全国の地方別の地質・鉱物フィールドガイド「ご当地の地質をめぐって」シリーズが出ていたのであるが、久しく絶版で、古本屋さんで検索してもなかなか揃いで出るものではなさそうである。こういう本でブームが起きたら、ぜひ全冊揃いで復刻してほしい。

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