牛尾剛:オブジェクト脳のつくり方

 この本を買う決め手は、帯の
 妻が読んで「オブジェクト脳」になったと言ってはしゃいでました。
 #彼女はJavaもプログラムも知りません(笑)
 というレビュアーコメントと、著者が箕面市在住であるということであった。
 オブジェクト指向というプログラミングパラダイムが出てきたのはたぶん1980年代ではないかと思われる。当時時価1300万円のXeroxワークステーションで動いていたSmalltalk-80は、解説本の画面コピーの図版で想像するほかなかったのであったが、今では、rubyJAVAをはじめ日常的にお世話になっていない人を探す方が難しい。たとえば、tDiaryrubyで書かれているので、これをお読みのみなさんはオブジェクト指向言語のお世話になっているのである。ところが、著者はこのオブジェクト指向を要領よくマスターするために、脳に「オブジェクト脳」を目覚めさせるのが手っ取り早いというのである。
 筆者は、レビュアーの奥さんが、実際のプログラムの技術やスキルを超越したところの「脳」力(少し古風に言えば、オブジェクト指向の哲学なのであろうが)を獲得したとされるところに注目した。
 そして、どうしても頭に浮かぶのはイエローブックを引き合いに出して人格攻撃されたり、罷免要求まで提出されるある身近な人物と、どうにもかみ合わない衝突を繰り返してやめてしまった若い人のことである。筆者自身はイエローブックを斜め読みしただけであるが、そういう傾向は誰にでも多かれ少なかれあって、かの人物に病的なほど濃厚に認められるとは考えられない。むしろ、これは価値観や世界観の違いでしかないと思われるのである。この本のタイトルのならいで言えば「何とか脳」に目覚めてしまえば(あるいは人間を見るのではなくサイエンスを見るのであれば)別の展開があったのではないかと、そんなことも考えてしまうのであった。
 

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  knee [>「何とか脳」に目覚めてしまえば別の展開が  何となくおっしゃりたいことはわかるような気がします。  目覚めるには、..]
 
  やぢを [ 目覚めてしまえば、on-the-flyな発言に動揺しないばかりか、逆にその臨機応変なリーダーシップに信頼感が強まっ..]
 

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