一眼デジカメに関する薀蓄話



  CO2インキュベータに入っていたような夏がやっと終わったな、という感じです。もうセミも鳴いてないですから、それだけでも暑さが和らぎますね。
  さて、Fujix DS-505Aの試験稼動を行っております。今夜は月を1000 mm望遠レンズで試写してみましたが、フォーカス、露出ともに申し分ないですね。一応連写した3枚の画像を貼り合わせて(天体写真ではコンポジット印画とよばれるテクです)、画像の荒れを抑えてみました。75 %縮小しているので撮ったままでもそう目立つわけでもなかったのですが…
 
  重くてかさばって、記憶メディアの供給に不安があることを除けば、手持ちのNikkorレンズを使えるというNikonカメラのよさと、現像不要のデジカメのよさをかねそなえた、なかなかのものです。
 それでは、後継現行機(Fuji FinePixS1proとNikon D1x)はもっとよいに違いないだろうということなのですが、実は設計が大きく違うらしいのです。銀塩フィルムのかわりにセンサーとなるCCDは、実は35 mmフィルムの一こまの大きさのものはまだ作れないのです。そのためデジカメ(つまり小さなCCD)が拾う範囲は、視野中心付近の狭い範囲ということになり、より焦点距離の長い望遠レンズを使ったように写るわけです。後継現行機ではつまるところ120 mmのメディカルニッコールをつけて撮影すると、180 mmの望遠レンズで撮ったような仕上がりになるとなるというのです。この、被写体の描画サイズの変化は、長期に追跡記録している症例ではちょっと困りものです。
 ところが、DS-505Aはレンズの焦点距離が35 mmフィルムのときと変わらないようにするためカメラボディーの中に凹レンズが入っているのです。その分、余分なレンズを通すために暗くなり、絞りを開いて背景をとろけるようなボケにするというようなことが難しいのです。どちらのやり方にも一長一短があって、どちらが良いかというより、どちらを犠牲にする方が許せるかという問題になります。技術的には、35 mmフィルム一こまの大きさのCCDが作れるようになるまでは解決しないのでありましょう。

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