今年の年賀状をどうするか2024 (2)「じまい」は20年早い

 この年末年始は、年賀状をいただいたみなさま(以下受信者と略)の負担軽減を第一の関心事として、みなさまへのこれまでのご厚誼、ご交誼への感謝のデジタル化に取り組んだ。
 具体的に最も悩殺されたのは、独自ドメインで年賀状専用blogにアクセスできるようにDNSを設定することであった。ドメインレジストラとblog提供サイトとの連携をはかりながら(ご迷惑ご心配をおかけしながらとほぼ同意である)、DNSレコードの浸透を待つ間を利用して、今後の「持続可能な生存情報の発信」はいかにあるべきか、ゆっくり考える時間を持つこともできた。
 受信者の負担を軽減し、持続可能な生存情報の発信のための年賀状のデジタル化の方針は概略、以下の通りである:

  1. e-mailを使うと、ネットワークに大きな負荷がかかるうえに、受信者にも受信確認の返信の期待(の忖度)が重くのしかかる(ので採用しない)
  2. SNSにも受信者の負担増になる仕掛け(いいねとReply)がそれとわからないように組み込まれている(ので採用しない)
  3. LINEで既読マークがついたら生存確認、というルールで運用されている同窓会もおありと聞くが、投稿/閲覧の負担を考えて採用しない
  4. トップページの年始挨拶をブラウズできるblogを採用し、閲覧者が簡単にはリアクションできないよう、コメント欄と連絡先メールアドレスとを非表示設定する

 
 さらに、トップページのサイドペインで、決して受信者の時間を徒にリアクションやフォローに浪費させることが目的ではないことをさりげなく伝える:

  1. 今後の更新を年二回定期的に行なう予告
  2. 今後発信者側からe-mailでページ更新通知を行なうことはない誓約
  3. 更新情報の取得を希望されるならRSSリーダー利用を推奨

 これで、(幸運なら)20年ばかり先に、この年賀状専用blogにデジタル年賀状じまいのお知らせを掲載することが、偏屈者の夢に加わった。

 ところで、神戸大震災30周年に向けて連載が始まった朝日新聞「ネットと災害30年史」の記事のジョン・シュワルツ教授の発言を読んだ。
digital.asahi.com

ネットで当時、探索や発見をした興奮、人々が世界中で交流し助け合えるという驚きを覚えている。今もその体験はできるが、SNSが憎悪とプロパガンダの手段と化し、社会に与えている影響を見るのは悲しい(Prof. John Schwartz, Professor of Practice, School of Journalism and Media, The University of Texas at Austin)

筆者も当時の《興奮》や《驚き》を深い共感をもって思い出し、感激を新たにした。災害時の確認と今般のそれとを一緒くたにするなど、不謹慎にもほどがあるが、今さら「その体験」を時代遅れの仕組みで追体験しようとしているだけなのかもしれないと反省もしている。

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