ビーチコーミングでめぐりあう陶磁器片の模様に魅せられて、啓蒙書や研究書もそこそこ揃えたりした。
それで、最初に買った別冊太陽「古伊万里」を見ていて、突如筒型の湯飲み椀(p. 79)が頭から離れなくなった。まっすぐな円筒と平らな底面とで構成されている茶碗。どうしてもこの形状のものを日常生活で使いたいと思うようになった。
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1988/10/01
- メディア: ムック
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それで円筒形の湯飲み茶碗くらいどこにでもあるだろうと高をくくって捜しはじめたら、これがなかなか見つかるものではない。
瀬戸物屋さんや古美術店など、これまでご縁もなくどこにあるかさえわからない。
インターネットのバーチャル古美術商ショップやヤフオクで、「筒型湯飲み茶碗」「半筒型茶碗」などをqueryに検索してみる。
美しい蛸唐草模様のものなど、まさに「拾ってこない限り持つことのできない」価格設定である。
ヤフオクには筒型の猪口は見つかるが、テーパーの付いたものが多く、焦点距離の短いデジカメのレンズで接写で撮られた商品の画像からは、歪曲収差のためにまっすぐかテーパーになっているか判別が難しいものも多い。
半日がかりでテーパーの付いていない円筒形状の茶碗をいくつか捜し出して、ビッドを入れたところである。
口径86 mm、高さ65 mm。そのプロポーションはキヤノン50 mm F0.95よりは少し背が高く、EF 50 mm F1.0よりは一周り小さい。いつの間にかそういう基準で評価値が跳ね上がるような評価関数が頭の中にできているようである。