OTISエレベーターの天女奏楽の図

 以前チョートク師が氷川丸の1000ページの写真集のための撮影をされていた頃、ホテルニューグランドのオーチスエレベーターの天女像がブログに掲載されていた。
 天女が舞う空間の中心に時間軸があるのが哲学的である。筆者はひと目で、これが人生の終着点で見る風景と確信したことは、予約の時に記載した通りである。チョートク師のブログでの公開は絶えてしまい、今回実地撮影に赴くことが最重要のミッションであった(とはかなり言いすぎであるが)。
 この図柄は公式ホームページのトップページにも登場するのに写真集のページでは、大階段や時計の背景として掲載されるにとどまっていて、仔細を拝見できる画像はなかなか見つからないと思っていたら、部分的ながら「天女奏楽之図」として紹介されている。
 昨夕は宴会のお客様がいて、中華街出遊から戻ってきてみると照明が落としてあって観られなかった。
 今朝は早起きしてゆっくりと鑑賞することができた。エレベーターを降りて振り返るとそこに天女が舞っているのである。ずっと螺鈿細工と思いこんできたが、これは正絹織物と思われる。上述のページによれば、京都の川島甚兵衛(何代目かは詳らかならず)の手による綴織とのことである。フォーカスを外し、結局は仔細を拝見できない画像である。もし再撮の機会があるなら、三脚を使って絞り込んで、織り目がわかるくらいの解像度できちんと撮りたいと思う。
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 天女から数十mのところで寝起きした三日間であった。

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