教卓でのエンターテインメント

 締切を一週間近く過ぎぬるに教程書にまだまだ整わぬ所あり。待っても来ない返事を待っている間に、履修生にチャレンジする仕掛けをワクワクしながら仕込んでいるという趣きもある。
 そのルーツがどこにあるのかといろいろたずねたあげく、オストワルド《化学の学校》ではないかということになった(もう一つ付け加えるならCarl Sagan《COSMOS》だろう)。
 中学生の頃、何かで知ったのであっただろうか、高校生の時に図書館から借りだした岩波文庫上中下三巻を貪り読んだ。喋り言葉で訳されており、魔術師のように聴衆の目の前でめくるめく化学反応を実験してみせるエンターテインメントに、読んでいてしびれてしまう、すごい講義録であった。座右の書にしようにも市中の本屋さんには在庫がなかったが、オサカに遊学して紀伊國屋書店で在庫が完備されているのに感激したことを思い出す。

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