まぼろしの源ちゃんラーメン

 2000年頃まで堤の交差点の脇にそのラーメン屋さんはあった。
 お店のカウンター席の横の壁際にはテーブルが3つ4つ並んでいたが、我々はカウンター席を5つ連続で使うことが多かった。テーブルの横の3段ボックスには、「脱サラしたご夫婦で始められたお店」と紹介された新聞記事の切り抜きが貼ってあって、コボちゃんの漫画が一揃いあった。
 と断片的に過去の記事に登場する記載をつなぎ合わせると、懐かしいお店の様子が少しだけ蘇ってくる。
 カウンターの奥にはホシザキの冷蔵庫や冷凍庫のいかついカンヌキのついた扉が並んでいた。
 細麺の豚骨スープで、Bセットにすると半人前の炒飯がついてきた。刻みニンニクを揚げたのがクルトンのようにのっていたのを思い出す。ネギバカラーメンには山盛りの刻みネギが載ってきた。今ならメガネギラーメンとかギガ盛りネギラーメンとか呼ばれたのかもしれない。
 都市高の高架を通す工事のために、お店の前の駐車場が狭くなったり入りにくくなったりしながら、お店は2001年頃まで続いたのではなかっただろうか。その後工事も終わってこれからという時にお店は忽然と閉店してしまってスナックになってしまった。
 現在、「源ちゃん」を名乗って営業しておられるラーメン屋さんは愛知県豊橋市青森市に見つかるが、どうもあのご夫婦のお店ではないようである。どうしておられるのだろうか。
 往時の様子は、以前の「美味本(おいしんぼんと読む)」で偲ぶことができるのではないかと探してみるが、「日本の古本屋」にてはバックナンバーにたずねあたらず。福岡市総合図書館で全巻揃っていることを確認したので、経時的に追っかけることができるようになった。

本ブログではamazon associate広告を利用しています。