筆者が、高校一年の生物Iの副読本のことを思い出したのは、耳垢のdry/wetがある遺伝子のたった1つの塩基置換で決まるという論文に接した時である。その中にヒトの遺伝形質の表があって、耳垢がwetかdryか、お酒に強いか弱いか、手を組んだときに上に来る親指が右手か左手かとかのどちらが優性形質かがリストアップされていた。
参考書のコーナーで現行の副読本を見つけて、James Watson《Recombinant DNA 第二版》にその後の進歩を大幅増補して、さらにフルページカラーにしたような素晴らしい本が1,000円もせずに買えるのにびっくりした。もちろん、遺伝形質の表も健在であって、40年前どころか数万年前から継承されてきたことにこそ、遺伝の本質があると言える。
本のカバーにiPad版があるとの案内あり。新刊本を買って自炊するくらいならダウンロード版のほうがよさそうに思えたが、実に2,200円もするのである。ただし、これが本来の正当な価格ということであろう。学校単位の購入価格は、書籍体のそれと同じくらいに設定されていて、ボリュームディスカウントされていることに気がついた。
- 作者: 数研出版株式会社,鈴木孝仁
- 出版社/メーカー: 数研出版
- 発売日: 2014/02
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る