柳行李と壺井栄

小学校3年の時、担任の先生は大学を卒業したてのカジワラサチエ先生に変わった。おそらく先生は自らを《二十四の瞳》の大石先生になぞらえて清新の気みなぎる授業をされたのだと思う。
 その先生から、何かのお返しであったのだろうか、児童文学全集の一冊でハードカバーの壺井栄集をいただいたことを覚えている。その中に、お弁当のご飯を柳行李の両方に大盛りに詰めてそのまま蓋をするというエピソードがあったと記憶する。明治時代の日本人は一日に四合の玄米ト味噌ト少々の野菜を食べていたと宮沢賢治の《雨ニモ負ケズ》にある。お昼に柳行李に詰めた二合メシを食べても、計算上はつじつまが合う。
というので、柳行李がほしくなったが、今どきは日常の生活仕様の品は見つからず。芸術作品として売られている由。

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