ゼミのレポートを編集して自家出版したのを見せられる。内容はともかく、美しく縦書き二段組みされていて大変素晴らしい。何を使うとこんなに綺麗に組めるのだろうか。ただし、あえて苦言を呈するならば、句読点の打ち間違い一か所あるのが気になるところであった。収載された中に、村上春樹の《トニー滝谷》を取り上げたご学友あり。これもレポートの内容はそっちのけで、《風の歌を聴け》以降映画化は謝絶している(とは筆者の勉強不足であるが)と思い込んでいた村上春樹ワールドの映像化作品が製作されていたことに一驚。
それで、ハードディスク録画ずみの《風の歌を聴け》を供覧。以前にも疑問に思ったが、〈夢への切符〉でかかる、フレンシネマ風の3拍子の曲が気になってしようがない。《California girls》使用のため、制作費を圧迫するほどのロイヤリティを支払ったとのことであるから、それ以外の曲はそれほどお金をかけずにやりくりせざるをえなかったと見てまちがいあるまい。千野秀一氏の作曲、サックスは坂田明氏ということなのであろうか。