渡辺弘行《真珠》

 昨日言及した小伝の「年を取ってもう大きな彫刻を作る体力がなくなってから」というくだりを胸が詰まる思いで読んだのであった。「年を取って野外彫刻を鑑賞しに行く体力がなくな」る日までに、ぜひ拝見しておきたいと念じてたどり着く。
 《真珠》像は新旧の街並みが入り組んだ一角の『山吹の里』玄関脇に、アジサイの花に包まれて立っていた。昨日今日と渡辺弘行作品を堪能できる僥倖に感激。

渡辺弘行《真珠》東京都豊島区高田3丁目37−17 特別養護老人ホーム山吹の里
 《髪》1954年が、大分県藝術會館の朝倉文夫《三相》を彷彿とさせる作風であるのに比べると、1967年制作の《真珠》はやや異なって見える。鋳肌のメインテナンスのせいばかりとも言えないように思われる。その後の《想》1969年、《腰かけた女》1979年の石膏像も拝見してみたいものだ。
 特別養護老人ホーム あかね苑の《裸婦》は、後日訪問する機会を得た。

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