Kelly Kettleと電熱式サイフォン

黄金週間の徒然に《シェルパ斉藤のバックパッキング術》をお風呂読書などしていると、野宿してみたくてたまらなくなる。とは言うものの、アウトドアで健全に目覚めるというのはそれなりに準備も必要であり大変なことである。せいぜい松ぼっくりでお湯を沸かし、コーヒーを淹れるくらいで満足しておいたほうが身のためともいえる。先の本ではSierra Stoveというこれまたエコなストーブが紹介されているが、いずれもちょっと野趣を味わう程度の目的には卓越しすぎたお値段なのである。

それで、お湯をわかしたあと、どうやってコーヒーを淹れるか考えているときに、ふと幼少のみぎり自宅にあったナショナル(現Panasonic)製の電気コーヒーサイフォンのことを思い出した。分厚いガラスでできた半球形のフラスコとロートでできていて、ベークライトの蓋が黒光りしていたことをかすかに思い出すのである。今から思うとフラスコの水がどんどん上に上がっていって、コーヒー豆を抽出して下に戻ってくるというのがなかなか実験器具っぽいのであった。その後いずれかの破損で使えなくなってしまったと父親が嘆いていた。

当時は、ちゃんとした喫茶店に行けばサイフォンコーヒーが出てくるのは当たり前で、箕面駅前のみのおサンプラザには行きつけの喫茶待夢があった。十年ほど前に再来したときにサイフォンコーヒーを戴いた記憶あり。紫煙をくゆらせながら、コーヒーが入るのを待っている楽しみは、もはや前世紀のものかもしれない。自分で淹れるのなら手間のかからないドリップ式で十分と考えてきたが、サイホンを懐かしく思い出すようになったのは、歳をとったせいであろうか。

そういうわけで、今年は父の日にTWINBIRD CM-D853BRを届けたいと思うようになった。

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