オンラインマップを利用して自分ちを世界の中心に据えた地図帳を編纂する

 基本的に方向音痴の筆者にとって、出先で迷ったときiPhoneのMapで現在地を表示させて助かったことは多い。しかしそれがあくまでも緊急避難的な使われ方にとどまる理由を考えてみるに、自分にとって使いやすい縮尺に調節するまでに費やす時間とデータ転送量が莫大でバッテリの持ちや通信料が心配であるためのように思われる。
 Create Your Own Map Book Using Google Mapsを拝見して、オンラインの地図データを利用すると、自分の使いやすい縮尺やサイズの地図帳を編纂できるというコロンブスの卵にはたと気がついたのである。自分ちを世界の中心に据えた地図帳の編纂などというのは、歴史上ノーベル賞以上に限られた人類にしか与えられない特権であったわけで、その特権が大衆化したとても幸せな時代に生まれたことに感激するのである。
 自動車道路地図としてGoogle Mapはよいと思うが、徒歩や自転車の移動なら国土地理院の二万五千分の一地図の方が使いでがあるかもしれない。縮尺が大きくなるとルートが複数の地図に分割されてしまいがちであるから、これを一枚にまとめられれば大変に意味がある。例えば脊振周治院(福岡西南部収録)と海鷹亭(福岡西部)とは2枚の地図に分割されてしまう。これを再編纂して海側方面と山側方面の野外活動用地図に集約できるなら素晴らしい。地質図も同梱できるとよいが、オンラインでは入手できないなどとぼやいていたら、25万分の一地質図Google Map化されていることが判明。なかなか息詰まる展開なのである。
 また、これまでは地上界と天上界を一冊に編纂してしまうような「天才」は(たぶん)いなかったわけであるが、住んでいる緯度で使いやすい双眼鏡用星図も収録してしまえば、もう天上天下行きたいところをあまねく網羅したアトラスが編纂できるに違いない。
 筆者が使っていたスカルナテプレソ星図は、黒地に白丸白文字で天体とその説明が印刷されていて、赤色ペンライトで照らして見る際に暗順応(暗いところで瞳孔が開いて暗い星が見えるようになる)の邪魔にならない。PDF版の星図もプリンタ設定で白黒反転印刷するようなオプションは探せなかったけれど、中間でGimpで反転させれば簡単にベクバル化できるというものである。
 何十年後かにこのニュースをお読みになる方は、「そーか、その方法で今度トレッキングに行くわがいとしのアペニン山脈の地図帳を作っておこう」というようなヒントになるかもしれないので記載しておく。
 あとはラミネータースパイラルバインディングのためのハードウェアさえ調達できれば、パーソナル出版事業に乗り出すことができるのである。[野外活動]

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