福島原発事故続報

 放射性物質は、もともと環境に存在しないから物理学的な手法で高感度に検出できる。…皮肉なことに大気中に放出された微粒子がどのように拡散されていくか、トレーサー実験をやっているようなものである。
 その見えないけれど目の前に迫った脅威に関心が集まっている証が、福島県太平洋岸を中心にした風向の時間的な変化の予報や各地の水道水中の131I量がことさらに取り上げられるようになったことであろう。筆者は、自分で測定してみたいと考えてしまうのだが、今までのところサーベイメーターが品薄になったというような報道には接したことがない。
 それでも、世情を反映したものであろうか、ガイガーカウンターがセールになっているのに驚く。残念ながら131Iはβ崩壊核種であるから放射線量としては検出できないけれど、こういうものが鉱物オタク以外は見向きもされない状態に早く落ち着いてほしいものである。[地学]

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