Minolta SRT101ファーストライト

 帰宅してコンビニに行った帰り、午後の斜光線が椿水路をドラマティックに照らしているのに気がつく。先月1,050円でMinolta SRT101を買って以来、ケミカルフィルムを捜すともなく捜していた。しかしデジカメの御世になってみると、ケミカルフィルムなど希少品になってしまって、コンビニに行けば、27枚どり1本800円くらいで売っているが、一コマ30円というのは、何コマ撮ってもタダのデジカメは言うに及ばず、以前ミスマで36枚どり3本をコマ8円くらいで買っていた感覚からしても破格である。表現のためのメディアとしてはあまりにも高い。
 というので、ほとんどトイカメラ用のフィルムを調達するような感覚で、ミスマで24枚撮り2本パックを698円で購入。
 ところが、いざフィルムケースを開封してみるに、その感材の匂いに、はじめてカメラにフィルムを詰めた子どもの頃を懐かしく思い出すのである。物心ついた時からデジカメしかなかった若い世代には、この感覚は分かるまい。ちなみにMinoltaのボディーにフィルムを装填するのはひょっとするとこれが最初で最後になるのかもしれない。
 SRT101は、ミラーが自動復帰しないことで、ジャンク品扱いになったようであるが、もともとW.Rokkor-PI 21mm F4.5はミラーアップして使う設計なので、まったく問題なし。ミラーアップボタンでミラーを固定し、マサイサラ用のファインダーをつけて撮影に出る。
 ところで以前はフィルムの箱に必ず印刷されていた露光条件が見当たらず、勘でネガフィルムのラチチュードの広さの範囲内に入るように決定。絞り込めばほとんどパンフォーカスなので、フォーカスは目測で50 cmと5 mと無限遠の3つのどれかに調節。シャッタースピードがほぼ正確に出ることは確認ずみである。ミラーアップして使うので、太陽の方向を向けると布幕シャッターに穴が開けてしまう危険がある。Leicaには必須の配慮であるけれど、筆者のようながさつものは、無遠慮にレンズを夕日の方に向けてしまっていたりした。デジカメの場合は、レリーズをホールドして連写しても何の不都合も生じない(ハードディスクの容量が心配なだけである)が、完全マニュアルのこのカメラは一コマ一コマ全部手で調節して撮影しなければならない。という記憶を蘇らせる、貴重な体験であった。たまには悪くないとは思うが、こちらに引き返すことは無理だと撮影者もカメラもわかっている。
 次の課題は、以前はどこにでもあった、C-41プロセスをしてくれる現像所を探さなければならないということだ。[カメラ]

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