大学を卒業して、岡山に引っ越すまでの何日かの、寒さの抜けきらないちょうど今のような季節を、この曲の入ったLPを聴いて過ごしたことを思い出す。その頃阪急箕面駅の駅前に貸しレコード屋さんの黎紅堂がオープンして、大貫妙子《カルナヴァル》などを借りてきてはカセットテープに録って聴いていたことを思い出す。CDが出始めて、レコードに取って代わるつもりらしいとジョークのネタになるような時代であった。VHSビデオの普及前夜で、筆者のような貧乏学生などテレビさえ持っていなかったという、そういう時代であるわけだが、いまどきの若い人にとったらほとんど白亜紀の話に聞こえるのかもしれない。
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