撤収

 宿舎で合流し、市ヶ谷駅から南北線大江戸線東京モノレール経由で羽田空港第2ターミナルへ。
 ルート検索してみると、決して最短コースではなかったかもしれないが、市ヶ谷駅構内のエレベーターでご一緒した、ベビーバギーを押している若いご夫婦の奥様が大変気持ちのよい挨拶をされるのに感銘を受けた。子どもによれば白金台行きの切符を持っておられた方々で、もう二度とお会いすることはないのであろうが、こうして折り目の正しい方々にお会いする機会を得ただけでもこのルートの値打ちはあった。四ツ谷スクランブル交差点で人が四方からあふれてくるのを王蟲の襲来にたとえたまん中の子であるが、電車でも道でもそこにいる人々を個体として認識していたのでは始まらないのが都会であるというような印象で終わらなかったことに、ほっとしたのである。
 お土産を買ってピギーバックに放り込んでバゲッジチェックイン。その際、機材到着遅れのため出発が15分遅れる予定との説明あり。まさかの予感が頭をよぎるのであるが、明日中に福岡に着いていれば大丈夫とのことなので、別便振り替えや東京もう一泊の可能性も念頭において慎重に様子を観察する。
 屋上でしばらく発着状況を確認の上、53番ゲートへ移動。飛行機が係留してあるので一安心である。出発時刻1920時までのわずかな時間に定番の万世カツサンドを食べようと思ったが、結局見つからず、エビ天むすを食し、搭乗。2階席の前から2列目にて《侵入と伝播の数理生態学》を読み始めるうちに爆睡し、目が覚めた頃には最終着陸態勢に入ろうとするところであった。

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