就職して最初の年は日当たりの悪い下宿で、ひと夏の間に畳がかびてしまったりしたので、2年目の正社員採用を機に大供コーポ（岡山市大供）の日当たりのよい部屋に引っ越した。その当時すでにFujitsu FM-11/OS-9を仕事に使っていて、学生時代に憧れていたFM-8もその年の夏に日本橋で中古で手に入れたと思う。がTVは持っていなかった。レコードは自作DCアンプで聴くことができたが、新しい曲を湧いてくるように聴くことはできなかった。そこで買ったのがSonyの短波ラヂオであった。当時はMTVを放送する地上波局もPodcastingもネットラヂオもなかったかわりに、グアム島にノンストップで洋楽をかける西海岸のラジオ局KYOIを中継する送信所が（たぶんSonyの肝いりで）建てられ、それを短波ラジオで聴くというのが、世界、あるいはみゅーじっくしーん最先端とのつながり方であった。
というので、そのラジオを（おそらく岡山のToposで）買って、当時土日で実験が休みの日には、全開にした窓の、窓際のラジオからCindy Rauper: Time after timeとかBメロが印象的なこの曲がフェーディングまじりに流れていた。夏の日差しに灼かれた部屋の壁からは明け方まで遠赤外線が放射されていた…。当時のことを思い出したのは、実はせんだってのまいこーのご命日に社員懇談会の会場で、追悼特集で、ThrillerやBadにはさまってこの曲もかかったからである。80年代後半の時空に連れ戻されかけて、すかさずiPhoneのShazamにメロディを吸い取って曲名検索をかけたが、電波の状態が悪くて解答を得ることができなかった。
そこで、ようつべにてまいこーの曲を網羅的に聴いていけば、いずれ行きあたるに違いないと考察し、洋楽ヒット曲 日本語版の情報を参考にヒット曲に絞り込みながら探索を開始し、ほどなくHuman Natureをたずねあてぬ。[iPhone/iPod touch]
