Impressive

 drag & dropしたPDFをそのままプレゼンテーション仕様でフルスクリーン表示するオープンソースソフトウェアである。出力が高精細グラフィックスなのに、GUIがないという「ウリ(なのか!?)」に、ついカーニハン&プラウガーの「ソフトウェア作法」に出てくる、Ratforで書かれたソフトウェアツール(標準入力から一文字読んで何かの処理を行って標準出力に出す、unix系のcpとかwcとかのような、小さな「フィルタ」プログラム)を思い出してしまった。出力がOpenGLという高機能の抽象化されたデバイスになっていたり、Ratfor(構造化Fortran)がPythonにかわっていたりするが、PDFファイルから一文字読んでは標準ビデオ出力に出力するフィルタプログラムと解くそのココロは、ソフトウェア作法のそれとまったく同じであろう。
 それでも、旧八べーしっくで表示させた文言のスクリーンを銀塩スライドフィルムで撮影して、試写会の席上やれ右の隅が歪んでいるだのフォントがジャギってるだのと文句を言われたあの頃のことを考えると、世紀をまたいで電子ドキュメントの抽象化が数段進歩したのは間違いのないところである。ImpressiveでPDF文書を一人プレゼンしてみると、これがなかなか便利なeBookリーダーと見ることも可能であるのに気がつく。ランドスケープポートレート表示はもったいないので(というか読めないので)、[z]ボタンで半ページずつ拡大表示しておいて右クリックで移動させるとよい塩梅である。[ソフトウェア]

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