ささやかなディナー

 「まだまだ若輩者の…」というようなスピーチからちょうど20年、決裂もなく「年代と共に値打ちが増す磁器のような夫婦」として続いてきたわけである。
 夕方早めに抜け出して、一応ささやかなケーキを買って帰宅し、祝宴を催さむとして家族4人で近所にできたくるくる寿司屋に繰り出す。店の外にはいずれのネタも100円というのぼりが林立し、店内は幼児連れの家族が引きも切らず入れ替わり立ち替わり、活況を呈している。
 この寿司屋さんのIT化の進み具合というのがなかなか興味深い。まず、玄関を入ったところでタッチパネルでレジストレーションを行い、ウェイティング番号の印字された感熱紙を受け取る。番号を呼ばれて席に案内されるとおなじみのくるくる寿司なのであるが、従来のレーンの上にもう一レーンある。席のタッチパネルのメニューからオーダーしたネタは、この上のレーンを走る「超特急(と呼ぶ運搬トレー)」に乗って運ばれてきて、オーダー先でピタッと止まるのである。
 ここまで徹底していると、皿にICチップが埋め込んであって皿のカウントは自動で、精算は「お勘定」ボタンを押した後、おサイフケータイでピッ!という風にいくのかと期待するのであるが、さにあらず。ここだけはやってきたお兄さまがリアルにカウントして、伝票に鉛筆で記入するのであった。
 本日のおすすめは、あなごでシャリをくるっと包んだ「あなご巻き」に熊本産の「からしなす」であろうか。結婚準備のために大阪に出かけた時にone pleasureで食したあなご巻きを懐かしく思い出した。

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