尾崎亜美:≪偶然≫、≪初恋の通り雨≫

 尾崎亜美がデビューしたのは、大学一年生の夏休み前頃で、高橋基子さんがパーソナリティーをやっているFM番組で全曲流れたのをテープにとってよく聴いていたのであった。松任谷氏のプロデュースで、当時としてはジャジーなコードで揺れる心が表現されたような曲が多かったものであると思うのであるが、その中でも、生ギター一本とパーカッションの伴奏から始まる≪偶然≫では慕情がしっとりと表現され、一転して≪初恋の通り雨≫では、ポップスのリズムで切ない初恋の気持ちが唄われていた。当時のアイドルのデビューアルバムと比較すれば、その表現力は比較にもならなかった。代表曲としては、≪マイ・ピュア・レディ≫のような後々の佳曲があがるのだろうけれど、筆者には、むしろこれらの最初期の曲の印象が強い。
 30年後に、切れた電球を買いに行ったホームセンターのCDワゴンセールでこれらの曲に再開することになろうとは、当時の紅顔の美少年(と厚顔にも書いてしまうが)にはとても想像すらできないことであった。デジタルリマスタリングなど施されていない、30年前のマスターテープからのCD化なのであろうと思われ、音質が良いとは言えないのであるが、amazon.co.jpで軽くサーチした結果からいえば、これらの曲が収録されたベストCDはなかったようなので、お買い得である。ただし、このCDは、amazon.co.jpでの扱いがないようである。どういう事情なのか不明であるが、ホームセンターやサービスエリアの売店などに配置されるような特典盤なのかもしれない。[音楽]

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