梅原猛:日本冒険 第三巻 預言者の翼

 
 明け方帰宅して、何気なく文庫本を持って風呂に入る。
 オデュッセウスの冥界譚のくだりで、「ここでまた河が出て来た。この地は、(中略)川々の合わさる河合の地と同じであると思われる。神々はなぜか川々の合わさるところにいらっしゃる。(p. 203)」という文章にはっとする。
 この本を手に取ったのは、この文章を読みたかったためであろう、と有頂天になるほど運命論者ではないが、12年ほど前に読んだときには、河合の地が近くになくてわからなかった(いや、旭川のプリオシン海岸の近くにはあった)のであるが、今はすっかりそれがわかるのに気がついて、愉快な気分で風呂からあがる。
 

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