一個人

 こういう文化カタログ雑誌にクラクラくるようになるのは、ひょっとするとかなりシニア世代に近づいてきたということかもしれない。amazon.co.jpでレビューされているけんちゃんのママさんには悪いのだけど、この雑誌の見どころはずばり興福寺の阿修羅像で、おすがたをA4サイズ1ページで掲載した編集担当者に敬意を表したい。心洗われる思いなり。
 他に法隆寺秘仏救世観音像も小さく掲載されている。27年前、春の公開期間に拝観した時の記憶をたどってみるに、夢殿の小さな扉が開いていて、そこから暗いお堂の中をのぞきこむのである。最初は何も見えない。眼を凝らして見続けるうち、闇の中から荘厳にして壮麗な観音様が眼前に現れるわけである。筆者は救世観音像に関しては、そういう鑑賞のしかたが正当であろうと思っているので、安易に2次元の御影が流布されるのは…とか何とかいって、ぐぐればいくらでもお姿は拝見できるであろうと思っていたら、この春の特別開扉が明後日までであることを知る。いまだに、公式ページでは公表されないトップシークレットのようなのである。[本]

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