オールドライカファンを懐柔してデジタル化する戦略は成功するか?

 ライカレンズを使用可能なデジカメを商品化するところまで持っていったセイコーエプソンはなかなかすごい。筐体が(同じ信州の)コシナレンダーのOEMであろうことはなんとなく察しがつくのであるが、巻き戻しノブをジョグダイアルと呼ばせる(というか、オリジナルならいかデザインをそのまま残して転用を図っている)のは、21世紀的な粋ではないだろうか。
 結局写真撮影の半分はレンズで決まるのであるから、旧ソ連製のらいかレンズも含めて過去の資産が使用可能なこのカメラは、一部のファンには受け入れられると思われる。オープンプライスで想定売価30万円前後にとびつくのは、「ライカM7も大したことなかったし、今度のボディーはデジタルで…」というライカのレンズを持っているファンのみであろう。もし価格がせめてEOS kiss digital並みであったら…スナップ写真入門者が、旧ソ連製レンズと組み合わせてはじめてのカメラとして購入するようなシチュエーションがあるようにも思うのである。
 と思っていたら、Panasonicは、フルマニュアルを謳うデジタルカメラLC1を発売。Mg合金のボディーは、ちょっとした高級銀塩カメラの風貌である。非交換式レンズはライカ社のズミクロンブランドで、Konica Hexarのデジカメ版本歌取りという趣であろうか。電子ファインダーなので、一眼レフ同等に実際の画像を確認しながら撮影できる点は、デジカメのメリットを知り尽くした設計といえよう。こちらは、すでに15万円前後で店頭に並んでいる由。
 この路線をもう一歩進めて、シネカメラ用のC-マウントレンズのつく絞り優先自動露出のデジカメを発売してもらえないであろうか?C-マウントレンズはビデオカメラにも使われたため、最も地球上で製品数も生産ラインも遍在していると思われる。また、小型で明るいレンズが安価に入手可能である。16 mmシネフィルムのサイズは、APSサイズのCCDにほぼ等しいのであるから、LC1のレンズ、CCDを外してスクリューマウントと一眼デジカメ用CCDをつければ、手持ちのSwitar 24 mm f/1.8レンズで、街をフランスシネマの1コマのように撮れるであろうに。

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