縁側に出て天候をうかがいし折、軒下に置いてある七輪にセミの抜け殻あるを見つける。ひょっとしてあの時の要領の悪いヤツが、降り出した雨を避けながらここで羽化したのであろうか。もうこの世にないことは確実な生命なれど、猫から命拾いした生涯を精一杯全うせしことを祈るものなり。
縁側に出て天候をうかがいし折、軒下に置いてある七輪にセミの抜け殻あるを見つける。ひょっとしてあの時の要領の悪いヤツが、降り出した雨を避けながらここで羽化したのであろうか。もうこの世にないことは確実な生命なれど、猫から命拾いした生涯を精一杯全うせしことを祈るものなり。