ドルーヴァ・ミストリー《木の精》1990(1993)年作

 酸性雨の影響であろうか、あるいは海沿いであるからであろうか、ドライコンディションではブロンズ表面の酸化物の縞模様のせいで、艶やかさが得にくいという難しさがある。
 暗くてオートフォーカスが作動しないので、両手でW3を持って、さらに左手で懐中電燈を持ち、フォーカスを当てたいところを照らしてフォーカスロック、その後構図を決めて撮影という手順なり。油断すると右手の指が写り込むし、一発ストロボを打つたびにバッテリインジケーターがエヴァなみに減っていくし、なかなか苦労が多い。しっとりした仕上がりに一応満足したのであるが、彫像表面の乾き具合で表情が変わるという発見があった。だんだん事情がわかってくるのは楽しい。が、ワンショットずつ踏み込んでいくには予備のバッテリが必須であることを痛感した。あるいは、DCカプラー CP-50を介して、腰につけた大容量バッテリから給電というのもよいかもしれない(が、メーカー保証外である)。
 「雨の夜の野外彫刻写真家」気取りで《春を奏でる》に足を伸ばすが、天神警固公園は北半分囲い込みをして改修工事中で、まったく近寄れず。がっかりして踵を返す。夜の剣呑な雰囲気を一掃する目的で、11月頃竣工予定にて全面的な改修の由。池を埋め立て、築山を削り、トイレを移築するというのであるが、完成予想図は想像の外である。
 須崎公園まで足を伸ばせば《裸婦座像》もあったというのに、残念なことであるが、これは次の雨の日の楽しみにとっておくことにする。

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