EKEN MID&E-BOOK M001 for rich bathtime experiences――たった13,000円のタッチパッドでライフスタイルが変わった

 もともと脊振周治院の浴室入口にはカメラジャーナルのバックナンバーが積み上げてあって、入るときにここから下の方のを一冊抜いて、湯船で読み返して上がるというのが常であった。ところが、ここ3晩ほど、EKEN MID&E-BOOK M001を湯船に持ち込んで、メールチェックやGoogle Readerの未読分を読むなどしてみると、これがなかなかよい。
 ほどよい大きさのハードウェアというのが、まさにmobile internet deviceの魅力なのであろう。指先でタッチパッドを操作して、リラックスしながらGoogle Readerの未読RSSを順に読んでいくというのは、かなりリッチな体験(以後RBE; rich bathtime experience)である。これが、小型ノートPC(HP miniの雪豹版)で小さなキーボードのキーを押しながら…というのではとてもこれほどリッチさは感じられなかった。
 かと言って、指先で操作するデバイスであっても、iPhoneiPod touchでは、猫の額ほどのスクリーンで、拡大して読んで縮小表示に戻して移動して…の繰り返しになりがちである。M001はそのままで老眼でも読める程度の大きさに表示されるところがよろしい。
 対抗機種(?)のiPadなら、類似のRBEが可能なのであろうが、高価な端末を水没の危険をおかしてお風呂場に持ち込めるかどうかが、問題になるであろう。小一時間持ったままでも疲れないくらい軽量でなければRBEは難しい。湯上りに腕が疲れているほどの重さなのではないかというのが、持てざる筆者の心配である。
 ソフトウェアとしては、インターネットブラウザさえ動けばよいのだと気づかされた。一般にはandroid marketにアクセスしたり、ソフトをインストールしたりできないのはM001の「欠点」と考えられているが、逆に青空文庫リーダーをうまくインストールできないのであるから古今東西の古典に魅入られ、湯あたりを起こしたあげく端末を水没させるところまで読みふけらずにすむのは「メリット」以外の何ものでもあるまい。こういうメリットは残念ながら小型ノートPCにもiPodにもiPhoneにもiPadにもない。
 そして高度に個人化したコンテンツが、リッチさの最大の要因なのであると思う。すなわち、Google Readerで購読しているRSSが―――筆者の場合にはチョートク師のカメラジャーナルの後継のKCチョートクカメラ日記は言うに及ばず、仕事関係の論文のオンライン早出し版にいたるまで―――時系列に並んで、自分に興味のある記事ばかり詰まった雑誌の目次を眺めている気分になるのがよいのであろう。これが単なる新聞記事の羅列ではつまらない。カオティックにシャッフルされた話題、これがバスタイムにはまたよいわけである。仕事部屋でデュアルディスプレイで読むときには刺激を受けない大脳皮質の領域がセレンディピティーに活性化されるようでもある。
 追記(2010>Jul>02):android marketへのアクセスも可能になるファームウェアアップデートを、arkoujiさんの記載の通りに実行した。本体のメモリの中身がまっさらになって、android marketへの入り口が開くのであるが…試しにsimejiインストールを試みるに「ダウンロードの準備中」の次のステップに進むことを得ず。[Android]

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