クシー君の発明
夕食のとき、たまたま著者鴨沢裕仁氏のファーストネームが話題になって、そういえば…と本棚から捜し出す。子どもが一通り読んだ後で、をやぢはお風呂読書して後に絶版本であったことを知る。ああ、湯気にあてるのではなかった。
1970年代のガロに掲載された、実に不思議な漫画群である。いや、これをSF漫画に分類するのも、中に出てくる天文学の知識は非科学的であると目くじらを立てるのも、ともに愚かなことであろう。筆者がこの本を買うにいたった背景には、工作舎の「遊」や、まりの・るぅにぃ氏あるいはビックリハウスのいずれかがあったと想像されるがすでに30年近く経過してみると詳らかならず。
著者鴨沢氏は、稲垣足穂から大いなるインスピレーションを受けていると想像されるのであるが、これはこのバブル前夜の時代精神であったのかどうか。[本]