鹿屋→内之浦

 ここから17:00発の姶良経由内之浦行きのバスに乗り換える。1日5便のバスの最終便である。乗客は、女子高生2人におばちゃん2人くらいで、垂水鹿屋コースが鹿児島の賑わいを引きずっていたのに比べるとかなり寂しくなる。鹿屋からの道は起伏も緩やかでずっと地平線までストレートなところもあって、周囲に牧草地が広がっているあたり、北海道気分のところもあり、かと思えばちゃんと川沿いに田植えの終わった田んぼの広がる平野部分もあったりして、なかなかバラエティに富んでいる。姶良経由なので国見トンネルは通らず、国見山を迂回して海岸に出て、海沿いに走るコース。途中、高山バス停(営業所?)で小休止があり、トイレを借りる。このあたりまでは日差しがあったのに、太平洋につきあたったあたりから山には霧というか雲がかかっていて小雨がぱらつき始める。路面も濡れているであろうに、海に向かって切り立った山の斜面に等高線に沿って切り通された道をジェットコースターのように走り抜ける。
 そして、小串のトンネルを抜けると、眼下に内之浦湾が開けて、対岸の雲のたなびく山頂に34 mパラボラがシルエットになっているのであった。地形図で想像していたよりもくっきりと大きく見えて、思わず「グスコブドリの伝記」の火山観測所を思い出してしまった。
 すっかり舞い上がってバスのアナウンスを聞き間違え、バス停3つ分早く降りてしまう。運賃は1040円。国道沿いにピギーバックをゴロゴロ引っ張り、道祖神を撮ったりしながらコスモピアをさがして歩くこと15分、ついにパチンコ銀河のロケットの形をした看板を見つける。垂直尾翼はかなり錆びていて、このままでは飛びそうにない。

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