日本語版WIRED誌休刊



  秋葉の「コンピュータ屋街」を歩いていて,約16年前に初めて来たとき,まだ多くのお店はIC屋さんだったり,電気屋さんだったりオーディオショップであったことを思い出して,秋葉という街の業界再編ってすごいもんだなと感心しました。さて,そのある店の書籍コーナーで,日本語版WIRED誌最終号を見つけました。日本でインターネットが爆発する寸前に創刊されて以来約5年で休刊ということになります。残念です。
  コンピュータ界のNational Geographicというか朝日ジャーナルというか,硬派でM$みたいな企業にも媚びない内容で,しかも蛍光色のインクを多用した斬新な紙面のデザインで,特集組んだ内容のその後のフォロー("reload"と呼んでいた)もキチンとやる,それまで日本にはない好感の持てる責任あるジャーナリズムだったわけです。今にして思えば,私の中のHacker's ethics的なかなりの部分はこの雑誌から来たのに違いない。でも,約2年間読み続けた私もLinux Japanが愛読誌になって,ピタッと購読をやめてしまいました。WIREDもLinuxもインターネットで育ったわけですが,Linuxがありとあらゆるコンピュータに移植され改良されてウイルスのように増え続けているのに,ハッカー文化の香りをまきちらしたWIREDが定着しなかったのはなぜでしょう。やっぱりモノにつながらなかったからかなー。でもインターネット版HOTWIRED JAPANは残るそうです。Netscapeより早くなくなるとは思わなかった。
 DEC, WIRED, そしてSuntoryのPekoグリーン缶と好きだったり憧れたりしていたものが絶滅していくというのは資本主義経済の宿命とはいえ,ちょっと淋しいですね。
  ところで,秋葉フライバイ(辛口採点つき?)はこちらでどうぞ。(公開終了しました)

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