写った星と画像の範囲を調べる|プレートソルビング

 どこを撮ったかわからなくなった天体写真、どうしてます? 画像をもとに写した場所を特定してくれるオンラインのプレートソルバーを使ってみましょう!

プレートソルバーとは?

 音楽で言うところのShazamのようなもので、天体写真をクエリとして、撮影範囲の特定と天体の同定に特化させた画像検索サイトまたはアプリ、とお考えいただくとよいかもしれない。

 プレート(plate)とは、以前天文台で天体写真の撮影に使っていた、銀塩の感光材を塗ったガラス板で、そのプレートで撮影、現像の後に写った星を同定する作業をプレートソルビング(plate solving)と呼んでいた。デジタル化された今でも、その伝統を雅に受け継いだ呼び方が残っている。

プレートソルビングの手順

1.ブラウザでastrometry.netにアクセス astrometry.netは今回使わせていただくプレートソルビングの力強い味方

2.下記のようなページが表示されるので画像ファイルを指定(選択)して、UPLOADボタンを押すと…

天体写真 プレートソルビング 写った星の特定 astrmetry.net

3.「ちょいとお待ちを…」画面に切り替わり、間もなく「うまくいきました」のページが表示されるので、Go to results pageをクリック

天体写真 プレートソルビング 写った星の特定 astrometry.net

4.リザルトページに、数値とグラフィックとで結果(画面中心の赤経・赤緯、画面に写った主要な天体の名前など)が表示される。

天体写真 プレートソルビング結果 写っている天体の同定結果をオーバーレイ表示した元画像 画像の中心の赤経赤緯の数値表示 astrometry.net
天体写真 プレートソルビング 星図上に画像の範囲を図示 astrometry.net
今回調べてもらった画像は

 Vera C. Rubin天文台がファーストライトのお披露目に公開した、おとめ座銀河団の画像である。
rubinobservatory.org
 2つの渦巻銀河と、その北のマージしつつある3つの銀河もため息が出るくらい素晴らしく、探険のしがいがあると直感したが、詳しい位置は公表されていなかった。
 今回のプレートソルビングで2つの渦巻銀河はNGC4411AとBであることが判明した。
 小さくても露光時間をかければ写るものだろうか??

 ちなみに、このNGC4411Aと、これまで本ブログで取り上げたいくつかの銀河について、見かけの明るさと大きさを整理した表は下の通り:

銀河見かけの光度(等級)視直径
今回同定した双子の銀河(のうちの一つ)
NGC4411A
13.42.0′ × 1.9′
卵を抱いたペンギン銀河
NGC2936
12.9-
アンテナ銀河
NGC4038
NGC4039
11.2
11.1
5.2' × 3.1'
3.1' × 1.6'
ソンブレロ銀河
M104
8.05.9' × 3.2'
ボーデの銀河
M81
6.921' × 10'
アンドロメダ銀河
M31
4.3190' × 60'
 これまで取り組んでいる銀河の中では最暗最小クラスの銀河であり、なかなか手強いに違いないと推測。

 一枚の画面に銀河がいくつ写っているんだろう?と魅了されるこちらの画像は、astrometry.netで同定できなかった。
rubinobservatory.org
前人未踏の領域の探険が始まったということだろう。

考察

  • astrometry.netにプレートソルビングしてもらって、気になる天体の名前と位置とを知ることができた
  • 画像の撮影時刻、解像度や写っている天体すら不明の場合にもastrometry.netは強力なソルバーとして働く

 PixInsightには自前で使えるプレートソルバーとして、ImageSolver(Astrometryスクリプト)が組み込まれている。しかし、画像の撮影時刻や解像度と画像に含まれる天体の名前がわからないと実力が発揮できない点に注意が必要である

天体写真 プレートソルビング

結論

 画像の対象が不明で、プレートソルバー(ImageSolver)が使えない、というような困ったときの切り札として、astrometry.netは強力で頼りになることがわかった。

本ブログではamazon associate広告を利用しています。