記憶は消える 記録は残る

 大げさに言えば表題のような決意でPLAUD NotePinの導入を決めた。

 寄る年波で聴力の衰えた母刀自は、テレビの音量を上げて視聴して、同室していると頭が痛くなるほどである。
 周囲がそういう迷惑を蒙っている一方で、自分では「不便を感じたことなどない」と言い張り、聴力アシストデバイスなど却下する頑迷さは衰えず。お医者さまには

わたしはみみがきこえにくくなったので このぐそくによくおはなしいただいて わたしはあとからきくようにします

などとよそ行きの声で申し上げているが、その場で耳許で要点を話して聞かせ、頷いて復唱しているくせに、帰ってきて3時間もしたらきれいさっぱり、今日病院に行ったことすらおぼつかない。
 すなわち

  • 聞こえないのに聞こえるふりをする
  • たとえ聞こえたとしても記憶できない
  • 耳が聞こえないのをよいことに、本人の目の前でとてつもないわるだくみが話し合われた疑念(陰謀論

という3つの複合した問題があることがわかった。
 そこで母刀自との情報共有の手段として、現時点で最も有効なのは、会話を文字起こししてプリントアウトした「記録」であると考えるにいたった。
 そして、ふとプレジデント2025.10.3号「\もう「才能」はいらない/ 年収2000万円のAI活用術」p.25のコラム記事で紹介されていた「AIボイスレコーダー」のことを思い出した。

 届いてすぐに同梱の使用説明書を見ながら設定作業を進めるのに、「録音ボタン」が反応してくれず、昨夕を費やして呻吟した。あげくのはてにカスタマーサービスに助けを求めたら、「録音ボタンはタッチセンサーではなくて物理的な(プッシュ)ボタン」というヒントを貰って、やっと解決した*1
 ちなみに最初から操作や設定の詳細を記した取扱説明書を手許においておけば、心許ない思いをせずにすんだと思う。
jp.plaud.ai
 録音の開始も終了も、本体を親指と人差指ではさんでぎゅっと録音ボタンを押すだけのシンプルなUIである。終了後は、特に何か指示をしなくても自動的に音声データが母艦に送られて、アプリで文字起こしと要約が可能になる。
 試験運用してみたら、文字起こしでは話者を聴き分けて、発言をかなり正確に日本語文に書き下した。また、サマリーでは会話の雰囲気に言及し、会話の中では解決しなかったままの問題点に注意を喚起してくれている。設定の段階でセキュリティに気をつけておけば、これは便利である。ベストセラーになるのも頷ける。これで、AIに駆逐される職業のリストに有能な秘書も入ってしまうのだろう。

 というので、要介護1高齢者が有能なAI秘書に出会うとどういうケミストリーになるのか?と考えてみると、母刀自自身がPLAUD NotePinの録音ボタンを押したり、会話のサマリーをレーザープリンターで印刷したりするのは難しい。
 が、もう少し想像をたくましくすると、相手の発話をリアルタイムに聞き取り、文字起こしして視界に表示できるARスマートグラスをかけたら、母刀自のようなcommunity-dwelling elderlyの人生は大きく変わるかもしれない。

*1:録音中不用意に指でタッチする程度では録音がストップしないような優れたUI設計になっているとも言える。

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