没入感のある寝心地を求めて

 筆者は長い間ソファで寝起きしてきた。そのソファがリビングに来たのは、20年くらい前のリフォームの後であったと記憶するが、詳細は覚えていない。男の隠れ家を作るにあたって、そのソファをずるずる引っ張ってきて、そのまま使ってきた。背もたれと頭の側の座面のクッションは取っ払って、頭のところには子どもたちからプレゼントされた無印のビーズクッションを置き、頭を埋没させて寝ていた。
 先日身体の没入感を増して、もっともっと「ダメに」なってやろうと決心して、座面のクッションをアイリスオーヤマのビーズクッションに取り替えた。

 ところが、これがソファとの親和性が悪い。ビーズがぎっしり詰まってパンパンに膨らみ、円柱のようになっているので、ちょうど倒れた電信柱の上に寝ているような状態になる。重みのかかる腰のところのビーズがだんだん脇に移動し、くの字体勢で目が覚める。中のビーズを減らしてみるが、身体がビーズクッションとベッドの背もたれの間に落ち込み、埋没できない。
 そこで、気持ちを切り替えてスチールパイプの枠組みのついたハンモックを購入した。これで埋没感はなくても浮遊感のある眠りと目覚めが手に入った。…つもりだったが、実にハンモックの長さがちょうど足りず、懸垂曲線の上に背中を丸めて寝ているうちに腰痛になりそうな予兆がでてきた。それで、ソファを取っ払って床の上に直にビーズクッションを置いて試してみた。だんだんクッションカバーの張力とビーズの体積と体重との微妙なバランスを調整する必要があることがわかってきて、少しビーズを抜いて没入感を確保しながら腰痛にもならずにうまくいきそうな目処がたった。唯一の不満は、床の上に直に寝ることで、もう少し高さがあったらふだんはソファとして使えるのに、ということだった。ハンモックのスチールパイプはガーデンに設置して布団干しに転用できるし、晴れた日ならリゾート気分で読書しながらうたた寝できるだろう。
 そこでソファを粗大ごみとして処分する段取りとなった。インターネットで福岡市に粗大ゴミ収集を依頼し、コンビニで手数料1000円を払い、もらったシールを貼って出すのである。
 ただし、ソファは一人では持ち上げられないほど重く大きい。ふだんのゴミ回収場所まで持っていくのも大変で、さらにそんなところに置いて回収を待つ間、車通りを妨げてしまうに違いないことが気になってしょうがない。
 ソファがかなり重いのは、中に頑丈な木製のフレームが入っているためであろう。思考実験の結果、外被を取っ払って、背もたれや肘掛け部分の骨組みを鋸挽きして外したら、かなりライトにゴミ出しできると結論した。ベースの部分だけはもっとダメになる基盤ベッドフレームとして再生させ、元の場所におけば、ビーズクッションをその上に乗せられるとの発想を得るにいたった。
 ネットで検索すると、ソファを解体して、燃えるゴミ・燃えないゴミに分別して処分された事例がいくつも見つかった。
 後日記(2024-09-14)>まる二日かかって、ソファ内部を探検し、背もたれ、肘掛けをうまい具合に分離して一人で持てるくらいの重量に分割して搬出した。猛暑ゆえ、ファン付き作業服とTiメッシュキャップを装備したが、熱中症気味で寝込む。
 ベッドのベースの再生はまだまだこれからで、残っている問題点の一つが、木製フレームに布地を固定していた多数のタッカーである。こういう作業の効率は道具ひとつで画期的に上がることが期待されるので、タッカーリムバーを見繕って発注。

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