Victor SX-500 Spiritを分解掃除して、ウーファー、ツイーターの端子にスピーカーケーブルを直ハンダ付けして、背面にドリルで穴を開けて引き出し、中華アンプのスピーカー出力端子に直付けした。いよいよマルチアンプシステムの完成が近づいてきた。
隣室で韓流中華ドラマにはまっているCEOに音漏れを嫌がられながら、ワクワクしながらテストしてみる。ネットワークをバイパスしてアンプの出力をスピーカーに直結したことでどのくらい変わるのか?と期待したのに、片側のツイーターから音が出ない。ツイーターを断線させてしまったのだった。
これにはがっかりした。解決策として、二号庵からYamaha NS-500の外しのベリリウムツイーターを召喚する、ヤフオクで同型機のツイーターを調達する、という2案を検討していて、外しのツイーターより安く買えそうなJBL 4320(旧友が大学1年生の時に生意気にも買っていた)やAltec 620Aを見つけてどうしようかと悩んでいた。
昨晩は、図体のでかいJBL 4320を男の隠れ家に入れるとスピーカの上で寝なければならなくなるという心配に合わせて、寝る前に読んだツイーター修理の報告で、
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果たしてつなぎ直したりできる位置で切れているのか?スピーカーのコイルにつながるリード線のエナメル被覆はどうやって剥いたらよいか?などと考え始めて眠れなくなった。と言いながらいつのまにか寝てしまって、起床時から準備を整えて作業に入る。
まず、ツイーターユニットを外して、(メッシュは外したままになっていたので)コルクを剥がしにかかるが、これがなかなかの曲者である。シール剥がし液を綿棒で染み込ませながらコルクを金属枠と接着している両面テープを軟化させようとするが、接着力の凄まじさの前に、コルクをちぎりながらですら取り除くのが難しい。シール剥がし液をたっぷりしみ込ませたペーパータオルで何度も拭き取ってベタベタがなくなるのに2時間ほどを要した。
コルクに覆われていた部分から4本のネジ穴が出てくる。4本のネジを抜き取ると、ボイスコイルを含むユニットの前面部分とアルニコマグネット部分に分かれる。センターキャップの部分には強力な磁界があるのでネジを落とすとキャップに食い込んで凹む、というご助言は先達のページでは拝見したことがなかった。お気をつけいただきたい。
注意しながらネジを抜き取り、勇気を出して端子部分の接着剤をはがして基板部分をメリメリ剥がしてみると、端子から1 cmくらいのところで断線していた。
髪の毛よりも細い線である。基板のベークライトの上で指で押さえて小さな刃物(ペンナイフとかメスのようなもの)でそっと表面をこすって銅色にキラッと光る(たぶん被覆が剥けた)ところを、端子側であらかじめハンダづけしておいた無酸素銅の素線と交差させて、ハンダを流して固定した。余分の素線は小さな刃物で押さえて切断した。
勝ちを確信して、確認もせず組み直し、エンクロージャーにネジで固定するあたりから澄み切った音が聴こえるようになってほっとした。
アンタル・ドラティの《春の祭典》(Mercury Living PresenceのMinneapolis響版CD)で楽器の数が増えたような気がしてうれしく思ったのもつかの間、修理したツイーターがかなり小さく鳴っているので困ってしまった。
後日記(2024-06-24)>風呂に入って考えているうちに、ひょっとするとボイスコイルがうまく定位置に戻っていないために駆動力が足りなくなってしまっているのではないかと想像した。もう一度ユニットの分解組み立てをやり直してみることにする。