梅村恭司氏の消息

 若い頃、サイエンス社の発行するSoftware Todayという雑誌を購読していた。竹内郁雄氏の《初めての人のためのLisp》が連載されていて、登場するK大先生のファンであった。ちなみに当時Lisp処理系は、端末室のTSS端末から電算機センターのACOSインプリメントされたものに接続するか、大供コーポに帰ってFM-11 AD2+に入れた68000カードでOS-9/68k(いや、αOSだろうか?)を起動してαLispを起動するかというところであった(と記憶する)。調べるとLISP09というのがあったらしいが、印象は薄い。クロック周波数2 MHzの68B09Eに主記憶128 kBというような時代なので、計算速度はいまどきのCPUの1/10000以下であったに違いない。
 《初めての人のためのLisp》はダイアログ形式の型破りな、しかし骨のある入門書として後に単行本化された。その同じシリーズで出ていた竹内郁雄、梅村恭司《Smalltalk-80》も購入したことは言うまでもない。実は、昨日《データマイニング》を購入したのは、共訳者に梅村氏の名前を見つけたからである。豊橋技術工科大でご活躍のご様子。29年前の《初めての人のためのLisp》の出版当時、産業界の要請によって言語規格が(T先生風に言えば、コにアクセントのある)Common Lispに統一されつつあった。その後の動向に合わせて2010年に増補改訂版が出たというので注文してみた。
 つい先日Star Warsの新エピソードが封切りになった時にハン・ソロもレイヤも歳とったもんだという評があった。Star Warsよりも10年は若いが、K大先生、T先生やC子ちゃんも初登場から30年の年月を経て、齢をとられていないことを願うばかりなり。
初めての人のためのLISP[増補改訂版]

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